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僕の好きな人 98

 「おい?大原」
 「ん?あ、ああ?」
 「なんだお前………んあ?」
 にやりと石川さんが大原さんの視線の先を見て笑みを浮べた。
 「なんだお前!もしかして…」
 大原さんが純香さんを目で追ってたのに気付いたらしい。

 ……この人勘もいいみたい。…というか大原さんが分かりやすすぎ?
 「しー!しーっ!」
 「へぇぇぇっ…大原がねぇ~…」
 「黙ってろよ?こら」
 「なんだ男らしくねぇなぁ~」
 「ほっとけ」

 譲が世那との事を気にするように大原さんも気にしてるのだろうか?
 気にならないはずないけど…。
 あ、ほら…また…。
 純香さんって人が世那の事見てる。
 近くに来て分かった。
 純香さんって人…世那の事…好きだ。
 やだな…。

 「…………」
 ああ、その純香さんを見てる大原さんはそれを分かってるんだ。
 うまくいかない…。
 譲は世那を好きで世那も譲を好きって言ってくれるけど、もし世那が純香さんって人を好きだったら…違ってた。
 好きの一方通行って寂しい。
 じっと譲が大原さんを見ていたら大原さんが譲に気付いてそして苦笑した。

 「譲…世那捕まえといてね」
 大原さんが譲に抱きつくようにしてきたのに譲がよしよしと慰めるように大原さんの背中を撫でるとすかさず世那が飛んできてべり、と大原さんをひっぺ放す。
 「譲?」
 「ん?」
 「俺以外触るな」
 「ちっせぇぇぇ!!!」
 ぎゃははと石川さんが笑っている。
 「何とでも言え!」

 「いい!世那ぁ~!俺はお前の事かっこつけたいけすかねぇヤツだと思ってたけど!今のお前はバカで好きだわ~!」
 「…………」
 無言で世那が睨んでまたテーブルから離れていく。
 「譲~!また来ような?」
 「え~…僕は来なくていい…」
 家にいた方がいいなぁ…。
 世那は譲が大原さんと石川さんといるのが面白くなさそうにしてるけど、譲だって面白くはない。

 ほら、また純香さんが世那に話しかけてる。
 譲はすくっと立ち上がった。
 「譲?」
 石川さんと大原さんがどうした?という顔をしてたけど、譲はすたすたと世那の方に近づいていった。
 「譲?どうした?」
 「どうもしないけど……世那…僕帰るけど、早く帰ってきてね!」
 世那のエプロンをきゅっと掴んでねだるように言えば世那がああ、と頷いてくれ譲の頭を撫でてくれてそれに満足した。

 世那は譲のって言ったもん!
 純香さんが見ている前でそうしてくれた事に譲は満足するんだ。
 こんな事…って分かってるけど、でも嫌なのは嫌だ!
 「譲、やるなぁ~!」
 テーブルに戻ると石川さんが笑ってる。
 「僕帰るっ!」
 いらない嫉妬って分かってたって自分の中が止められない。
 
 ホント、自分が嫌なやつだな、って思う…。
 こんなの世那は嫌にならないかな…とか。
 世那が違う、なんでもない、といってもどうしたって気になっちゃうんだ。
 


 「譲、ただいま」
 世那が帰ってきてすぐに譲の部屋にやってくると譲を抱きしめてキスを何度も落とす。
 「ど、ど、どうした、の…?」
 「ヤキモチ?」
 むっと譲が唇を尖らせる。
 「そうだよっ!」
 「…………っ」

 ぎゅうっと世那が抱きしめてくる。
 「やっぱまた来ていいぞ?」
 「いかない!」
 軽いキスを何度も世那が落とす。
 「……世那はカッコいいけど…世那には会いたいけど!…でもいかないっ」
 「アイツらとくんのもアレだけど…譲一人で来るのも心配だし…」
 うーん…と世那が呻っている。
 「行かないってば!」

 「譲が…」
 ん?
 くすと世那が笑った。
 「逃げるんじゃなくて向かってきてくれたのが嬉しい」
 あ…。
 そうだ…。
 前は影から見た時もコーヒーショップで見た時も譲は逃げたんだ。
 それが今日は…自分から…。

 「…いくらか…僕…ちゃんと世那に対して自信…ついて、る…?ただの我儘…じゃない?僕…あんなの…みっともない、かなって思ったけど。ヤなヤツだなって…思ったんだけど…」
 「全然?可愛いヤキモチだ。…あのあと、譲帰ったあと先輩笑ってた」
 笑われた?
 むっと譲がまた口を尖らせると世那がくすっと笑った。

 「お前の事言ってある。…言ってあるというか…今日ので分かられたんだけどな。ただの義理の兄弟…じゃないでしょ?って」
 ……それでいいの?
 世那は満足そうに見えるけど。
 …いい。譲はずるいから言わない。世那は分かってる?分かってない?純香さんが世那の事を好きだって…?
 でもそんなの言わない!聞かない!
 譲はずるくて我儘だ。でもそれでいいんだ。

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続きに拍手コメお返事です~^^
nkmm様
 母は天然で応援です~…多分(笑)
 気付いても笑って応援しそうでもあるけど^^;
 ありがとうございます~^^

S様
 ナニゲに体力ありますね~!
 運動神経はないけど、若いのでwwww
 本当にエロワードは…^^;
 いつも攻め様暴走です(><)
 ピンクオーラ駄々漏れでしたかね?wwww
 父は余所のヤツに取られるくらいなら…と思ったか?(笑)
 そうそう。二人のお気に入りになるので、世那卒業した後
 西校の群れに入っても手出すな、になるでしょう~wwww
 ありがとうございます~^^

tsr様
 おかわりでした^^;
 若いです!あははは~!世那父も絶倫か~!
 来年は赤ちゃんいますよwwww
 連日えち…^^;自分でも驚きでしたよ(笑)
 会長はそんな野暮な事は言いません。面白そうなことには
 黙ってます(笑)
 パンフ!ありがとうございます~^^
 私見てなかったんだけどネットでチェックしたら……(滝汗)
 ……よ、よろしくお願い致します^^;
 ありがとうございます~^^

mm3様
 小人くん!(笑)でかい小人くんですけど!wwww
 世那仕事になりません~~(笑)
 おお!指輪渡したら完璧ですね^^b
 mm3も寒暖の差も激しいですし体調には十分お気をつけ下さいね~(><) 
 ありがとうございます~^^

SR様
 親衛隊(笑)
 そうなのね~!なにげに譲最強でしたwwww
 二人もイケメンかな?(^m^)
 そこに会長もそのうち加わるでしょう~(笑)
 世那のイライラはきっとMAXになるはず~^^;
 熱(><)大丈夫ですか~(--;)
 微熱だとだるいしつらいですね(><)
 無理しないでくださいよ~~~!
 フクロウ君可愛いですよね~~~♪
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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